物理学・科学・数学の大学短大ガイド
物理学・化学

物理学・化学

星を見て「宇宙はどんな法則で動いているんだろう」と物思いにふけったことがある。高校の物理を超えて、さらに関心を深めたい。そんな人は、大学で物理学を専攻し、その知的好奇心を満たすことをオススメします。

「理科の中でもとくに物質の組成や化合について学ぶのが好きだ」、「化学反応式を書くのって面白い」、「ダイオキシン、環境ホルモンなどの化学物質について専門的に解明したい」、そんな展望を持っている人には、化学の専攻がオススメです。

■物理学
素粒子や原子核から宇宙空間まで自然界にあるあらゆるものがどのように成り立っているのか、それらを支配する法則は何か、それによってどのような現象が起きるかという疑問の探究に関わる全ての事象を研究対象とする。宇宙の発生や構造を論じるにも、量子コンピュータなどミクロな世界での電気回路を設計するにも物理学の法則が手がかりとなる。物理的な理解を元に新しい物質を設計するなどの研究も進展しつつあり、物理学の研究の現場では他の分野の研究者との議論や共同研究が活発に行われている。物理学を学ぶにあたっては基礎からの積み上げが重視される。まず数学・物理数学・基礎的物理学に加え、コンピュータプログラムの開発の基礎となる情報処理などの基礎科目での実力を身に付けた上で、原子核物理・物性物理・数理物理・流体物理・宇宙物理など専門科目に進むスタイルをとる。低学年では基礎的な勉強をする一方で、様々な機会を捉えて物理学の最前線の様子に触れることが大切である。日本の物理教育の水準は高く、ハイレベルな研究・教育が期待される。学ぶうちに理論と実験の両面から興味のあるテーマが次々と生まれてくることだろう。

■化学・応用化学
原子や分子といった物質の成分組織・構造・他物質との間に起こる反応を研究する。物理法則によって発生する化学反応のメカニズムを研究し、新素材の開発や新技術の発見といった人類によって有益な反応を利用する研究を主要に行う。化学分野を大別すると、金属・非金属の化合物を対象に構造や性質を解析する「無機化学」、農学・医学・薬学・生物学とも深く関わりを持つ有機化合物の構造や性質を研究する「有機化学」、計測を軸に物質の性質を研究する「物理化学」といった3 つの分野に分けられる。その基本を応用し法則そのものを発見するのではなく、それらを総合的に対象とする課題に適用していき新技術を打ち出していくのが応用化学の分野である。その他にも物質の性質を研究する「物質化学」や新しい効率の良い化学反応を開発する「有機反応化学」「分析化学」「核・放射化学」「構造化学」「量子化学」と応用分野の対象は多岐にわたっている。この分野では実験での実習が重要なため、大学では基礎的な理論を学んだ後は基礎的な実験から専門的実験へと入り、授業の多くの時間を実験が占めている。近年、化学分野も急速な発展をし物質の構造や性質が分子レベルで解析され、より精密で効率の良い物質生産技術が開発されている。さらにバイオテクノジーといった遺伝子レベルでの生命現象の解明など生体関連化学も目覚ましい発展を見せている。また、消費の拡大に伴って発生した地球環境の保全や新エネルギーの開発、より効率化した技術の開発、資源の有効活用など応用化学の社会に求められる役割はますます大きくなってきている。この分野ではデータ分析にコンピュータを使用するため情報処理技術も必要であり、海外からの情報収集や交換をするために語学の知識も必要となっている。そのため、情報処理の科目や語学の科目をカリキュラムに組み込む学校もあり幅広い総合的な知識が必要となっている。具体的な研究分野には高分子化学・生物化学・電気化学・材料科学・物理化学・制御化学・環境科学をはじめとした社会に深く関わりを持つ分野が数多くあり、常に実用化ををめざして研究し研究成果は直接に社会生活に役立たせ人類の発展と密接に結びついている。

主な専門科目説明

●固定物理学
固体内電子の特徴を学ぶとともに英書輪読と低温実験を通して超伝導現象の理解を目指す。

●地球電磁気学
人工衛星WIND が測定した太陽プラズマのデータや宇宙空間の磁場のデータをインターネットを活用しながら研究していく。

●宇宙物理学
宇宙の誕生から現在の宇宙の歴史を学ぶ。研究対象は膨大で常識の粋を越えた概念も数多く登場する。

●量子力学
不可思議な性質をもつミクロな実体を重ね合わせの原理を満たす波動関数(状態ベクトル)によって表現される量子力学の実験結果を研究する。

●素粒子物理学
陽子・中性子・中間子を構成する6 種類の「クォーク」と、電子が属する6 種類の「レプトン」を研究する。

●原子核理論
原子核の構造や核反応の研究から、物質の成り立ちの解明や新エネルギーの開発、統一理論の完成を目指す。

●流体・プラズマ物理
宇宙の99%を占めるプラズマの振舞いを研究し、太陽風の加熱や大規模磁場変動等との関係の解明を目指す。

●理論物理学
理論的モデルや数学的仮定を基に、実験事実や自然現象等を説明したり、未知の現象を予想し得る物理理論を扱う。

●宇宙線・宇宙物理
宇宙から来る粒子を観測することにより、宇宙線の発生メカニズムの解明や見えない天体の観測を行う。

●統計力学
熱力学的な性質を原子論の立場から解明することを目的とし、微視的な物理法則を基に、巨視的な性質を導き出すための学問。

●流体力学
連続体力学の一部であり、流体(液体、気体)の変形、応力を学ぶ。学ぶ範囲は原子の数百倍程度の大きさから、天体までの広範囲に及ぶ。

●電磁波論
同軸ケーブル、導波管、光ファイバケーブル内で情報を運ぶ電磁波がどのように伝わるか、伝送路内での電磁波の振舞が実用上重要な通信の品質にどう関わっているかを学ぶ。

●半導体物理学
ダイオードやトランジスターおよびそれらを集積化した半導体デバイスや半導体レーザーなど電子デバイスの基礎となる半導体物性の基本的な事項や最近の研究のトピックスについて講義する。

●放射線計測学
放射線の医学利用及び放射線防護における放射線計測に関する知識を得るために、放射線の検出原理、検出器の特性、放射能測定、エネルギー測定、線量測定、モニタリング法などについて講述する。

●相対性理論
アインシュタインの発表した、互いに運動する物体の座標系の間では、物理学の法則が不変な形を保つという理論を研究する。

●宇宙プラズマ物理学
オーロラ現象や太陽面爆発といった我々のごく近くの現象から、超新星爆発、ガンマ線バーストといった宇宙での極端条件下のさまざまな現象を統一的に理解する。

●物理学実験
実験手法の初歩と物理学の内容の理解を深める。結果の定量的評価の仕方(理論的考察との比較、グラフ等によるデータの可視化)について学ぶ。

●有機化学
有機化合物の分子構造や性質を解析し、化学反応や合成についての研究を行う。

●無機化学
金属をはじめとした無機化合物の分子構造や性質を解析し、化学反応や合成の研究を行う。

●高分子化学
さまざまな物質を分子レベルでの化学を解析し。研究していく。

●量子化学
イオン、原子、分子などの衝突によって起こる化学反応の素過程をコンピュータを使用して研究する。

●構造化学
原子、分子の集合した状態の構造や性質をミクロな視点から解析し研究する。

●機能高分子化学
理学的応用を想定した工学という観点からさまざまな機能を有する物質を分子レベルでの化学を研究していく。

●環境化学
地球上のあらゆる物質の元素が陸上や川、湖沼、海、大気などにどれだけあるのか、また、元素の変化や変化した原因を研究する。

●統計熱力学
温度、エントロピー、自由エネルギーといったマクロ系に熱力学的物理量をミクロな立場から研究する。

●分析化学
分析化学の基礎となる酸塩基平衡や錯生成平衡等を解説すると共に、それらを利用した各種滴定の方法や滴定曲線、指示薬の問題について解説する。

●高分子化学
自然界で淘汰され生き延びてきた動植物、また人工的に作られた材料の主成分は高分子であることを認識し、その高分子が今までに習ってきた低分子量の化合物とどこが異なっているかを理解する。

この分野の将来性

数学と同じく、科学技術の基礎研究として重要なのが物理学です。この世に存在しなかった「新素材」などを開発したり、宇宙開発に取り組んだりするためには、物理学の研究が不可欠です。卒業後は、そうした技術開発の現場で研究に勤しんだり、理科や物理の教育に携わったり、または大学に残って一生研究生活を続けたり、進路はさまざまです。また、物理学研究でも、高度な数学的素養が要求されるため、その能力は、一見物理とは関係ないように見える分野でも十分に活かせます。
一口に化学と言っても、物理学と同じく、基礎研究から工業への応用まで、幅広い研究領域があります。とくに人工的に作られた素材、工業製品には、化学の研究成果が大きく生かされています。しかし、こうした化学物質の中には、環境ホルモンなど、地球生態系に悪影響を与えるものも少なくありません。それゆえ、それらを除去したり、環境への悪影響の少ない代わりの物質を開発したりすることも、化学の重要な役割となりました。このように、現在ますます化学知識、化学研究の成果が期待されています。

この学問が学べる学校の学科情報一覧